「摩周ブルー」が輝く摩周湖へ!
近場ではキャンプや温泉も!
公開日:2024.09.01
摩周ブルーが輝く摩周湖
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摩周湖の基本情報
摩周湖を覆う雲海
北海道東部を代表する港町・釧路市から、車で北へ約1時間40分。阿寒摩周国立公園の東側・弟子屈町内にある摩周湖は、火山活動から生まれたカルデラ湖です。カルデラの壁に囲まれ、水が注ぎ込む川もないのになぜか水位が変わらないという、不思議な湖でもある摩周湖。北海道の先住民族・アイヌの言葉で「カムイトー」(神の湖)と呼ばれ、昔から神秘の場所として崇められてきました。2001年に北海道遺産として登録された摩周湖は、日本一水の透明度が高いことで有名。1931年に観測された透明度41.6mは、いまだに破られていない世界記録です。吸い込まれるような美しい青色の湖面は「摩周ブルー」と呼ばれ、フォトスポットとしても人気です。摩周湖は別名「霧の摩周湖」と呼ばれていて、年間約100日間は霧が立ち込める幻想的な場所。タイミングが合えば、湖を覆う雲海を見ることもできます。
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四季折々の見どころに触れる
摩周湖は四季折々で表情が変わります。雪解け後の春、5月ごろからは新緑の爽やかな空気のなかサイクリングがおすすめ。活発に動き始めたエゾシカやキタキツネ、エゾリスなどの野生動物を見られるチャンスも。夏には摩周岳の登山も人気。高台から眺める摩周湖はため息が出るような絶景です。摩周湖は「霧の摩周湖」と呼ばれていて、6月〜8月にかけては霧に覆われていることも多くあるため、晴れの湖が見られるかどうかは運次第かもしれません。またこの時期は、早朝に足を運べば貴重な雲海を見られるチャンスも。秋には木々が色づき、紅葉に包まれた摩周湖を楽しむことができます。秋の澄んだ空気の中、美しく輝く星空を観察するのもおすすめ。冬にはスノーシューハイキングで、展望台からは見られない摩周湖の姿を楽しむことができます。
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摩周湖を展望台から楽しむ
摩周湖の展望台
摩周湖には3つの展望台が設置されていて、それぞれで違った摩周湖の景色を眺めることができます。
1.摩周湖第一展望台
道道52号線沿いにあり、雪の降った冬でも足を運ぶことのできるメインの展望台です。木々に囲まれた摩周湖を大パノラマで一望することができます。夜には澄んだ空気の中満点の星空を見上げることもでき、時間を問わず楽しむことができます。2022年夏には「摩周湖カムイテラス」がリニューアルオープンし、お土産を買ったり、展示物で摩周湖について知ることもできます。
2.摩周湖第三展望台
第一展望台から北に4kmほど進むと辿り着く展望台。標高670mと3つある展望台の中でも標高が一番高く、摩周湖に浮かぶ唯一の島・カムイシュ島を間近に見ることができます。10台ほどの無料駐車スペースがあり、第一展望台よりも人も少ないため落ち着いて眺めることができるのも魅力。10月下旬〜4月上旬は雪で通行止めとなり、車で立ち入ることができないのでご注意を。
3.裏摩周展望台
第一・第三展望台の反対側、清里峠から約4kmほどの場所にある展望台です。第一、第三展望台の反対側になることから「裏摩周展望台」と呼ばれており、他2つの展望台とは違う表情の摩周湖を楽しむことができます。摩周岳が間近にあり、山の裏側であるなだらかな緑との調和はここでしか見ることができない景色。また、標高の低い展望台であることから比較的霧の発生率が少なく、澄み切った摩周湖をしっかりと眺めることができます。こちらも冬季は通行止めになるので注意が必要です。
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摩周湖の周辺スポット
摩周湖周辺には、景観を楽しむ観光スポットや火山活動で出来た温泉などがいっぱい。その中でも人気の高い周辺スポットをご紹介します。
1.神の子池
摩周湖から車で50分ほど離れた場所に、神秘的な湖「神の子池」があります。「神の湖」と呼ばれる摩周湖の伏流水からできている、という言い伝えから「神の子」と名付けられました。澄んだ水が青く見える不思議な池で、池の底には倒木が腐らずに沈んでいる様子を見ることができます。毎日1万2,000トンもの水が湧き出していることから、冬も凍らないのが特徴。通年を通して神秘的な景色を楽しむことができます。大自然の中にあるため、夏は虫除けをお忘れなく。近くには駐車場もあるため、そこまで歩く必要がないのも嬉しいポイントです。
2.川湯温泉
阿寒摩周国立公園内にある川湯温泉は、名湯として有名。近くにある活火山・硫黄山から湧き出す強酸性のお湯が、観光疲れの身体を優しく癒してくれます。観光名所でもある「砂湯」では、湖に面した砂を10cmほど掘れば温かい温泉が出てくる不思議なスポット。自分だけの手湯や足湯を作って楽しむことができます。温泉が湧き出る砂湯周辺は水温が高いため、冬には身体を休めるオオハクチョウを見ることもできます。貸しボートやキャンプ場もあり、アクティビティも揃っていることから家族連れにも大人気です。
Okku Outdoor Challenge(川湯硫黄山満喫サイクリング♪)
川湯温泉街から出発するガイド付きのサイクリングツアーも。サイクリングの経験が無い方でも安心して参加可能で夫婦・カップルにおすすめのツアーです。
3.屈斜路湖
弟子屈町に位置する屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖。水源の8割が湧き水であると言われている屈斜路湖は、澄み切っている美しい水が特徴。中でも屈斜路湖の南側にある和琴半島は、全国各地から観光客やキャンパーが訪れる人気のスポットです。和琴半島の魅力について、いくつかご紹介します。
1.キャンプ場
屈斜路湖のスケールの大きな自然と湖を楽しみながらキャンプができることから、和琴半島はキャンパーに大人気。人気のキャンプ施設をご紹介します。
和琴湖畔キャンプフィールド
屈斜路湖の湖畔に面してテントを張ることができるキャンプ場。湖での水遊びや景観を楽しみながらキャンプができる、最高のロケーションが特徴です。
2.カヌー・SUP・ボート体験
ガイド付きのカヌーツアーやSUP体験で、湖の上から四季折々の景観を楽しむことができる他、懐かしい足漕ぎのスワンボートにも乗れます。ボードの上から望む大自然は絶景です。また、ルアー・フライフィッシングなどを楽しむこともできます。
3.酪農体験
4月末から10月ごろまでのグリーンシーズンでの酪農体験もおすすめです。トラクターに乗って摩周山麓の大草原を散策したり、牛の餌やりや乳搾り体験、バターやアイスクリームづくりなどここでしか体験できないアクティビティが満載。家族の思い出作りにもおすすめです。
4.美幌峠
国道243号沿いにある美幌峠の展望台から見られる美しい屈斜路湖は、「天下の絶景」と称される人気のスポットです。連峰や大雪の峰々がつらなる壮大な景色を写真におさめたいと、道内外から観光客が集まります。2022年にリニューアルオープンした道の駅「ぐるっとパノラマ美幌峠」では、地元の素材を使ったあげいもやエゾシカのロースト丼などを味わったりお土産を買うことも。

ひがし北海道には摩周湖エリアへ行けるガイド付きの観光バスがあります。
<釧路市街から乗車可能>
阿寒バス ピリカ号
摩周湖をはじめとして、屈斜路湖・阿寒湖を1日で周りきるバスガイド付きの観光バスです。阿寒湖温泉・釧路空港で途中下車も可能。お手軽に道東三湖を楽しむことができます。
阿寒バス 釧路知床号
阿寒摩周公園と知床国立公園を結ぶガイド付き観光バスです。摩周湖や硫黄山・砂湯を楽しんだあとは美幌峠を通り知床・ウトロ温泉へ向かいます。一部区間で下車することも可能です。
<ウトロ温泉から乗車可能>
阿寒バス 知床釧路号
上記とは逆ルートでの乗車も可能。行き帰りで利用できる便利なガイド付き観光バスです。
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アクセス
自分で向かう際のアクセス方法はこちら。
※アクセス方法は一例です。
釧路市内から
1.バス
釧路駅前バスターミナルからガイド付き観光バス「ピリカ号」に乗車
(他スポット観光含め約9時間/釧路市内乗降で5,600円)
2.JR
釧路駅から「釧網本線」乗車、摩周駅で降車
(約1時間20分/片道1,890円)
3.レンタカー
釧路市街地を出発、摩周湖第一展望台で停車
(約1時間40分/レンタカー会社による)
たんちょう釧路空港
1.バス・JR
阿寒バス「釧路空港連絡バス」乗車、釧路駅で降車
(約45分/片道950円)
釧路駅から「釧網本線」乗車、摩周駅で降車
(約1時間20分/片道1,890円)
2.レンタカー
釧路空港出発、鶴居村を経由し(道道53号線)摩周湖第一展望台で停車。
(約90分/レンタカー会社による)
摩周湖から周辺のアクセス
1.神の子池
車での移動が一般的。
道道52号と国道391号を経由し、神の子池駐車場で停車(約55分)
2.川湯温泉
阿寒バス「美留和線」に乗車、「川湯駅通」で降車
(約30分/570円)
3.屈斜路湖/和琴半島
バス:摩周・屈斜路周遊バスきっぷで屈斜路バス「摩周湖第1展望台」乗車、「和琴半島」で降車
(約1時間40分/2,000円)
車:道道52号と国道243号を経由し、和琴フィールドハウスで停車(約27分)
4.美幌峠
車での移動が一般的。
国道243号を経由し、道の駅「ぐるっとパノラマ美幌峠」で停車(約38分)
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まとめ
摩周湖
吸い込まれそうな深い青色の湖水が広がる摩周湖。湖の周囲は急な崖になっていることから、人が立ち入ることのできない神秘的な湖です。晴れた日には澄み渡った美しい湖と森のコントラストを、そして霧のかかった日には幻想的に浮かび上がる景色を。タイミングによって違う表情を見せてくれる摩周湖は、訪れる人を魅了し続けています。少し足をのばせば、周辺の観光スポットを楽しむこともできるアクセスの良さも魅力。さあ、あなたも神秘の湖に足を運んでみませんか?
ライター情報
奥村 菜依加
奥村菜依加(なえか)
1994年生まれ、北海道北見市出身。道内金融機関に6年間勤務。その後北見市の映像プロダクション・株式会社北映Northern Filmsにチーフマネージャー・ライターとして在籍。2023年退職、コピーライター・取材ライターとして独立。屋号はProduce One。