世界自然遺産・知床へ!
温泉や観光スポット、グルメも紹介!
公開日:2024.11.01
冬の知床
01
知床の基本情報
北海道の東側、オホーツクの玄関口・女満別空港からさらに東へ車を走らせること60分。オホーツク海に面する自然豊かなエリアが知床です。アイヌ語で「シリエトク=大地の果て」という語源を持つ知床は、その名の通り北海道の最東端。手付かずの大自然が広がり、数多くの希少な野生動物が暮らすことから2005年に世界自然遺産に登録されました。知床連山を背に、原生林の中にひっそりと佇む5つの湖・知床五湖や、冬になると海岸線を埋め尽くす流氷の上を歩くガイドツアーはここでしか体験できない大人気のアクティビティ。温泉宿が複数あるリゾートエリアとしても有名で、じんわりあたたまる温泉とオホーツク海で獲れた新鮮な海の幸を楽しむことができます。
02
斜里エリア
天に続く道
女満別空港から車を東へ40分走らせると現れるのが、斜里エリア。漁師町の美味しい海産物はもちろんのこと、地元で採れた新鮮な野菜を味わうことができます。また、斜里市街地から少し車を走らせれば全国的に有名なフォトスポットや、ドラマのロケ地となった駅へ行くことも可能。観光の拠点としておすすめのエリアです。
1.観光スポット
天に続く道
斜里町から車で15分ほどのところにある、大人気のドライブルート。全長約28kmの道路がまっすぐ伸びていて、その様子が天まで続いているように見えることからこの名前がつきました。丘の頂上には展望台があり、そこから見える大自然は息をのむ美しさです。春分・秋分の日には、夕日が道の延長線上に沈んでいく絶景を見ることができます。路線バスでは通らない道ですが、唯一斜里バスの「知床浪漫ふれあい号 Cコース」だけが停車可能(例年4月末〜10月末の運行)。車窓からの景色を楽しむことができます。お土産つきのプランもあるので、ぜひこちらのページもチェックを。
知床浪漫ふれあい号 Cコース
北浜駅
オホーツク海に面しているこの駅は、「流氷に一番近い駅」として有名。知床連山の雪景色を背景に、ノスタルジックな風景を楽しむことができます。過去様々な映画やTVドラマのロケ地として使われていて、全国各地から観光客が訪れる人気スポット。待合室の壁や天井には、訪れた人の名刺や切符がずらりと貼られています。併設されている喫茶店で食べられる「停車場ランチ」も大人気。流氷が一番美しく見える2月には、網走バスの「冬の網走まるわかりバス」で観光スポットを回るのがおすすめ。流氷観光砕氷船に乗車したり、アニメで有名になった博物館 網走監獄の見学など、豪華昼食つきのバスガイドつきツアーで冬の網走をまるっと楽しむことができます。
冬の網走まるわかりバス
北のアルプ美術館
斜里市街地にあるのが、昭和33年に創刊された山の文芸誌「アルプ」の美術館。創刊から終刊までの全巻や、原稿やカットなどの原画・資料などが展示されています。また、創刊時の代表である哲学者・串田孫一の書斎を復元した「串田孫一の仕事部屋」も公開。文芸ファンにはたまらないスポットです。
2.宿泊施設
ルートイングランティア知床-斜里駅前-
JR知床斜里駅の目の前にある、アクセス抜群のホテル。ビジネスホテルではありますが源泉100%掛け流しの天然温泉を楽しむことができます。開放的な露天風呂があるのも嬉しいポイント。朝には朝食バイキングも用意されています。
HOTEL BOTH
2023年にオープンした、日本初の香木パロサントを使用したサウナが大人気のホテル。ドミトリータイプから一棟貸しバンガローまで用意されていて、宿泊プランに合わせて選ぶことができます。洗練されたおしゃれな内装で、旅の気分が上がること間違いなし。天に続く道まで車で10分ほどの好立地です。
ペンションしれとこくらぶ
斜里市街地にある、山小屋のようなペンション。1Fには喫茶「年輪」が併設されていて、地場の旬の食材を使った料理は地元の人からも人気。斜里の「匠の豚-サチク麦王」を使用したしょうが焼きは定番です。一度入ればお肌がツルツルになると評判の、天然温泉を使用した浴場も。リーズナブルなお値段で、気軽に宿泊することができます。
3.グルメ
しれとこ里味
斜里町・知床で獲れた地元の新鮮な海の幸を味わうことができるお店。なんといってもおすすめは、ディナータイムに食べられる海鮮炭火焼き。お寿司や季節限定メニューは前々日に予約が必須となっているため、ホームページをチェックするのがおすすめです。
割烹久野 麺通館
創業100年の歴史を誇る、地元民に愛されているレストラン。TVでも特集されたポークチャップ(豚肉をソテーし、ケチャップで味付けした洋食料理)や、ちぢれ細麺の味噌ラーメンが名物メニューです。お座敷の席もあるため、小さなお子さま連れでもゆったりと過ごすことができます。
創作居酒屋いた吉
地元夫婦で切り盛りしている、創作料理を楽しむことができるお店。ジャンルにとらわれない様々な料理をお酒とともに味わうことができます。喫煙可能のお店のため、20歳未満は入店ができないのでご注意を。
03
ウトロエリア
知床五湖
斜里市街地を抜け、車で東へ向かうこと約40分。知床半島西岸のオホーツク海に面した場所がウトロエリアです。知床五湖の雄大な自然や知床観光船から眺める野生動物など、ここでしか見ることのできない絶景がたくさん。また、数多くの温泉宿があるのもこのウトロエリアならでは。雄大な大自然と温泉、そして日本一の水揚げ量を誇るサケ・マスなどの新鮮な海鮮を味わうことができます。
1.観光スポット
知床五湖
知床連山を背景に、5つの湖が広がるのが観光名所の「知床五湖」。原生林の中にひっそりとたたずみ、海・山・森・湖の美しい景色を一度に楽しむことができる景勝地です。多くの野生動物の生息地でもあり、動物たちの生活の痕跡を間近に見ることができます。2つの遊歩道が設置されていて、高架木道はバリアフリー対応になっているため家族連れにも安心。往復1.6kmで一湖湖畔まで行くことができ、湖に映る知床連山を気軽に楽しめます。地上遊歩道では湖により近い距離で散策することができます。ヒグマの生息地でもある知床五湖ですが、ヒグマ活動期は「知床五湖登録引率者」によるツアーに参加することが義務づけられているため、安心して散策を楽しむことができます。3つの展望台が設置されていて、大パノラマの自然を楽しむことができます。
シンラ 冬の知床五湖スノーシューイング
冬季には雪化粧をした知床連山を背に、スノーシューを履いて凍った湖面を歩くガイドツアーが大人気です。夏には散策することができない湿地帯や、時には野生動物の姿を見ることも。
オシンコシンの滝
ウトロ市街地に入る前の国道334号沿いにあるのが「日本の滝100選」にも選ばれたオシンコシンの滝。アイヌ語で「オ・シュンク・ウシ=エゾマツが群生するところ」という意味を持つこの滝は、その通り緑の中にある断崖から勢いよく水が流れ落ちます。その勇ましい姿と、途中から流れが二方に別れることからついた別名が「双美の滝」。冬は一部凍結するため、展望台に上がる際には注意が必要です。斜里バスの「知床浪漫ふれあい号 Aコース」は「オシンコシンの滝」をめぐるお土産付きの観光バスで、大迫力の滝を間近で見学することができます。また阿寒バスの「知床釧路号」に乗れば冬季でもバスで立ち寄ることができます。
知床浪漫ふれあい号 Aコース
知床釧路号(冬季)
知床観光船
数々の滝や岩、雄大な知床連山を海上から楽しむことができるのが知床観光船。ウトロ市街地に乗り場があり、家族連れで楽しむことができます。
知床では安全への取り組みを地域一体となって行っており、安全運行ルール等の安全対策を策定しています。大型観光船や小型のクルーザーから、ヒグマやエゾシカ・オジロワシなどの野生動物を眺めることができます。
特徴的な海食洞や四季によって変わる山肌の表情など、「日本最後の秘境」と呼ばれる知床の自然を存分に楽しむことも。
料金は経路別に約3,000円〜10,000円ほど、時間は1時間〜3時間半ほどで好きなコースを選べます。
カムイワッカ湯の滝
カムイワッカは「神の水」を意味するアイヌ語で、知床硫黄山から湧き出る温泉がつくった小さな滝です。一の滝から四の滝まで4つの滝があり、沢登りを楽しむことができます。上の滝に進むと水温が高くなるため、真夏には水着を着て入浴することも可能。また、いまも活発な噴気活動を続けている知床硫黄山の登山口でもあり、様々なアクティビティを楽しめるのがカムイワッカの特徴。沢登りは例年7月1日から9月30日まで、硫黄山登山は5月末から10月初旬までの限られた期間のみ解放されているため、訪問するタイミングにはご注意を。
2.宿泊施設
知床第一ホテル
オホーツク海を一望できるロケーションが魅力の温泉宿。大浴場は広々としていて、湯船の数も多いためゆっくりと温泉を楽しむことができます。なんといってもこのホテルの醍醐味はバイキング「マルスコイ」。北海道の旬の食材を使用した和洋中の料理を、バイキング形式で楽しむことができます。その種類はなんと約80種類以上!家族みんなで楽しむことができるお宿です。
北こぶし知床ホテル&リゾート
流氷を眺めながら温泉やサウナを楽しめる、ハイグレードなリゾートホテル。ラウンジの飲み物やスイーツ・アクティビティが丸ごと宿泊料金に入っている、オールインクルーシブタイプの宿です。お料理もハイレベルで、カウンターにいるシェフたちに直接好きな料理を好きなだけオーダーすることができます。
KIKI知床 ナチュラルリゾート
2023年1月にフルリニューアルした大浴場とサウナが人気のお宿。大自然の木々に囲まれて、まるで森林浴気分で温泉に浸かることができます。館内にある「あそびの森」には大型遊具が設置されているため、小さなお子さま連れでも楽しむことができます。離乳食の用意もあり、子どもにやさしいホテルとして「ウェルカムベビーの宿」にも認定されています。
知床 夕陽のあたる家 ONSEN HOSTEL
オホーツク海を一望できる丘の上にある、温泉付きのゲストハウス。客室からはオホーツク海に沈む夕日を楽しむことができます。滞在者が利用できるフリーキッチンも併設されているため、日中に釣り上げた魚や購入した旬の食材を使って自分で料理することも可能です。
3.グルメ
荒磯料理 くまのや
地元で獲れた新鮮な海の幸・山の幸を楽しむことができるお店。ここでしか食べることのできない鮭の腎臓の塩辛・シカ肉タタキなどの珍味は絶品。運が良ければ、幻の鮭と呼ばれる「鮭児」を味わうことができるかも?
知床酒場 ピリカデリック
深夜3時まで営業しているカフェバー。地元食材を使用したパスタやアラカルト、手作りピザを楽しむことができます。食後には美味しいコーヒーやお酒でホッと一息。夏季シーズンは無休なのも嬉しいポイント。
道の駅うとろ・シリエトク
道の駅に併設されたレストラン。海鮮丼やホッケの定食など新鮮な海産物はもちろん、北海道ならではのジビエ料理を手軽に味わうことができます。食後には30年以上の人気を誇るこけももソフトクリームを食べたり、知床土産を買うことも可能。
04
羅臼エリア
知床の流氷にやってきたオオワシ
ウトロエリアのちょうど裏側、知床半島東南にあるのが羅臼エリアです。アイヌ語で「獣の骨のあるところ=ラウシ」という語源の通り、様々な野生動物を鑑賞することができます。クルーズ船に乗ってシャチ&クジラ・ウォッチングができるのはここだけ。タラやウニ、昆布が獲れることでも有名で、新鮮な網元料理を楽しむことができます。
1.観光スポット
知床ネイチャークルーズ
夏にはマッコウクジラやシャチ、イルカ、冬には流氷時期にやってくるオジロワシやオオワシを見ることができるクルーズウォッチング。ウトロ側と違い羅臼側の海は流氷の密度が低く餌を食べやすいため、より多くの野生動物を目にすることができます。冬の知床半島で流氷観光船に乗ることができるのは羅臼エリアだけ。冬は肌に外気が当たらないよう、防寒対策はばっちりと。夏も平均気温が低いため、羽織るものがあると安心です。
羅臼峠
ウトロと羅臼町を結ぶ国道334号にある、美しい景色の峠。展望台からは羅臼岳と樹海、そして遠く浮かぶ国後島の大パノラマを楽しむことができます。冬期間は雪により通行止めとなりますが、開通直前の1日間だけ知床横断道路を歩く「知床羅臼雪壁ウォーク」は、予約がすぐに埋まるほどの大人気のアクティビティ。背丈を超える高さの雪壁の間を歩くことができます。
熊の湯
羅臼川のほとりに広がる、森の中にひっそりと佇む秘湯。地元有志によって管理されている、知る人ぞ知る温泉です。高い温度のお湯と高い水質で、身体の疲れを癒すのに地元漁師からも大人気。入浴料は無料ですが、地元有志の管理費となる募金箱が設置されています。自然の維持・保護のために少しでも募金をすることで、より気持ちよく楽しめるかもしれません。
2.宿泊施設
陶灯りの宿らうす第一ホテル
原生林の中にある源泉掛け流しのお宿。地元で獲れた旬の食材を使った、品数豊富な夕食を楽しむことができます。温泉の近くには熊の湯や羅臼ビジターセンターなどがあるため、観光の拠点としても最適です。
羅臼温泉湯けむりの里 ホテル峰の湯
日帰り入浴を楽しむこともできる、天然温泉が自慢のお宿。自慢の温泉とボリューム満点の夕食を、比較的リーズナブルに楽しむことができます。羅臼市街へ10分もかからずにいくことができるのも嬉しいポイント。
羅臼の宿まるみ
海沿いにある、岩盤浴付きの客室が人気のお宿。珍しいカバノアナタケ湯や、国後島から昇る日の出を眺めながら温泉を楽しむことができます。カニしゃぶやその日に獲れた新鮮な海産物に舌鼓を打ってみては。
3.グルメ
いさみ寿司
羅臼自慢のウニやカニ、そして鮭を味わうことができるお店。4月から12月までの期間限定で食べられる「知床海鮮丼」が大人気。不定休のため、訪れる際には事前にチェックしておくと安心です。
郷土料理ひろ瀬
有名人も多数訪れる、地元で人気の食堂。ウニ丼や海鮮丼はもちろん、焼き魚定食などもリーズナブルなお値段で楽しむことができます。運が良ければ高級魚である「めんめ(キンキ」を味わえるかも?
羅臼の海味 知床食堂
道の駅 知床・らうすに併設されている食堂。朝の7時からオープンしているため、朝食をとるのにもおすすめです。海鮮丼や焼き魚定食、羅臼昆布をふんだんに使ったラーメンを味わうことができます。約100席ある広々とした店内で、グループや家族連れでも安心。
05
アクセス
おすすめのアクセス方法はこちら。
※アクセス方法は一例です。
女満別空港からウトロエリア
1.レンタカー/車
国道334号線を海沿いに東へ走行
(約1時間30分〜2時間)
2.バス
知床エアポートライナーに乗車、ウトロ温泉バスターミナルで降車
(約2時間/3,500円)
3.JR
女満別空港からバスで網走駅まで移動、JR釧網線乗車
知床斜里駅で斜里バスに乗り換え、ウトロ温泉バスターミナルで降車
(約3時間半/2,620円)
釧路からウトロエリア
1.レンタカー/車
阿寒湖、弟子屈を経由し国道391号・道道1115号・国道334号を走行
(約2時間半)
2.バス
釧路駅前ターミナルから阿寒バス「釧路知床号」乗車、
道の駅うとろシリエトク降車
(観光含む約10時間/6,000円)
3.JR
釧路駅前からJR釧網本線〔しれとこ摩周号〕 網走行乗車、知床斜里駅降車
斜里バスに乗り換え、ウトロ温泉バスターミナルで降車
(約5時間半/5,680円)
知床の観光スポットを、効率よく回ることのできるバスツアーもおすすめ!斜里バスの「知床浪漫ふれあい号 Bコース」では、知床八景を観光バスで巡ることができます。お土産つきなのも嬉しいポイント。例年4月末~10月末の運行で、冬季は運行していないためご注意を。
ふれあい号Bコース(知床八景「プユニ岬」「知床峠」「知床五湖」をめぐるバスツアー)
06
まとめ
世界自然遺産にも認定された大自然が広がる知床。この場所でしか見ることのできない野生動物たちや、絶景は訪れる人の心を惹きつけます。季節によって見せる表情や楽しめるアクティビティが変わるのも大きな魅力。冬になると見ることのできる「流氷」については、 ビュースポットやアクティビティを詳しく解説した記事 もあるのでぜひご参考に。また、オホーツク海が育んだ新鮮な海の幸や、広大な大地で獲れた山の幸に舌鼓を打つことも。たったの一泊では物足りなくなってしまう知床で、あなたも非日常を体験してみては?
ライター情報
奥村 菜依加
奥村菜依加(なえか)
1994年生まれ、北海道北見市出身。道内金融機関に6年間勤務。その後北見市の映像プロダクション・株式会社北映Northern Filmsにチーフマネージャー・ライターとして在籍。2023年退職、コピーライター・取材ライターとして独立。屋号はProduce One。